本要約動画のとおりだった。
バカと無知に関する詳細な具体例や、
バカと無知に関係ないとは言い切れない研究結果も記載されていたが、
タイトルと本筋からは逸脱する印象。
そのため、ほぼ本要約動画で差し支えないと感じた。
で、要点は以下のとおり。
- バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないこと
- 集合知を実現するには、一定以上の能力をもつ者だけで話し合うこと
- それが無理な場合は話し合いをあきらめて、優秀な個人の判断に従った 方がよい選択ができること
- 一人でも多くのひとが、本書で述べたような「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、 自らの言動に多少の注意を払うようになれば、もうすこし生きやすい社会になるのでは ないだろうか
上記主旨を受け、私が何を言いたいか。
これから私が、私の上司のバカさ加減について愚痴るのだろうと、
思っている人もいるかもしれないが、残念だがまったく異なる。
私が言いたいことは、
正しい判断を行うための上記要点は、
人間組織に限った話ではない、ということだ。
私は先日、アルパカを開発した。
テクニカル分析で未来の株価の動きを予測する。
その際、複数の分析方法で多数決を取り、予測をまとめあげる。
ここまで話せばすでにピンときた人もいるかもしれない。
そう、これは分析方法による民主主義なのだ。
実際にあったのが、以下のようなものだ。
分析方法Aは優秀だが、市況によっては大きく負ける。
分析方法Bは優秀だが、Aとは別の市況で大きく負ける。
分析方法Cはほとんど役に立たないが、たまに大勝ちする。
さて、これらの分析方法をまとめあげたら、
お互いを補完しあって良い予測ができるようになるかと言ったら、
そんなわけはない。
AもBも、Cというバカに引っ張られ、
平均効果により予測精度は低下する。
予測精度を高めるためには、
- 一定以上の能力をもつ者だけで話し合うこと
- それが無理な場合は優秀な個人の判断に従う
やはり、これだった。
AとBのみを使用し、Cを排除することが正解だった。
AとBとCによる予測精度よりも、
Aのみの予測精度よりも、Bのみの予測精度よりも、
AとBによる予測精度のほうが良かった。
つまり、投資の分析では、
テクニカル分析の各指標だけでなく、
ファンダメンタル分析の各指標も含めて、
有効な指標のみで予測したほうがよいということだ。
とは言え、これは中学数学で習う程度の確率計算だ。
民主主義で優秀な人間の選択を殺さない方法が先にあって、
投資の分析方法の合算についてたどりついたのではなく、
単純化された確率モデルによる計算が、
優秀な人間とバカな人間の間にも適用できた、
というだけの話かもしれない。
さてと、
明日からは上司の仕事の精度を検証しようか。
私の提言をことごとく無視して、
プロジェクトを炎上へと追い込むような、
そんな上司が本当に管理職につくべきかどうか、
さらに上の上司に提言する方向で動くとしようか。
提言の際は、この本の本要約動画URLを添えよう。
上司もさらに上の上司も、心して刮目せよ。